第11章 夢ゆら
そっと翔ちゃんの背中に手をかけた。
床に寝転がる二人の傍に膝をついた。
「翔ちゃん…?」
翔ちゃんはギラギラした目を俺に向けた。
「雅紀、かわいそうだよ?」
途端に目の力が緩んで…
翔ちゃんが相葉ちゃんに目線を落とした。
相葉ちゃんは目を腕で覆って、表情が見えなかった。
「離してあげて?」
翔ちゃんの腕から力が抜けて。
相葉ちゃんを起き上がらせると、しっかりと腕に抱いた。
「雅紀…だいじょうぶだよ…?」
「リーダー…」
きゅっと抱きついてきた。
「翔さん…やつあたりはいけないよ」
和也がゆっくりと翔ちゃんに歩み寄った。
「俺もすごく嫉妬するけど、そういうのは本人に当たったほうが、早く解決するよ?」
翔ちゃんは無言で宙を見てた。
「ごめん…翔くん…」
潤がベッドの上から語りかけるけど、翔ちゃんはそのままの姿勢を崩すことがなかった。
「でも…ヤキモチ、焼いてくれたの?」
ちょっとだけ、潤が嬉しそうな声を出した。
「ちがう…」
小さい声で翔ちゃんがつぶやくと、下を向いてしまった。
「怖く…なった…」