第11章 夢ゆら
綺麗な涙だった。
翔ちゃんは、また俯いてしまった潤を立ち上がらせて、部屋に連れて行ってしまった。
「翔ちゃん…」
呼びかけると、振り返ってうっすらと笑った。
その顔は、ちょっと邪悪だった。
「え…?」
「あーあ…潤、おしおきだな…」
相葉ちゃんが呟く。
「え?だって…」
「翔ちゃんね。何かしら理由つけて潤をいたぶるのがすきなの」
「へ?」
「わかってるんだよ?翔ちゃんも。あの子とはなんでもないって。だけどね…それを理由に潤におしおきするとね…」
にやっと笑う。
「すっごく乱れるんだよね…潤が」
和也と俺は生唾を飲み込んだ。
同じタイミングだったから、思わず目を合わせてしまった。
「お前…」
「あっ…あなただって…!」
真っ赤になって焦る和也をみて、相葉ちゃんは笑い出した。
「ああいうときは、ふたりきりにしてやってよ…」
そういうと、和也を巻き込んで、ごろりとソファに寝転がった。
「翔ちゃん、潤のこと愛してるから」
潤が倒れた日のことを思い出した。
泣いていた翔ちゃん。
あんなに動揺してるの、初めてみたっけ…