第11章 夢ゆら
和也と二人で雑誌の撮影をして、家に帰ったら潤が一人でリビングに居た。
珍しくパジャマのまま、メガネ姿でぼーっとDVDをみてる。
「何してんの?」
声を掛けたら、びくーっとした。
「あ、おかえり。早かったね」
「や…押しまくって、めちゃくちゃ遅いけど…?」
もう時間は夕方になってた。
「珍しいじゃん。ぼけっとして」
和也が、潤の隣に腰掛けた。
ソファがぎしっと揺れて、潤が背もたれに沈んだ。
「…別に…」
「ふーん」
和也がリモコンを手にとって、チャンネルを変えた。
「あっ…」
潤が慌ててリモコンを取り上げようとした。
「なっ…なんだよ」
和也が後ろに倒れそうになったから、とっさに支えた。
「あっぶね…」
「潤!どうした…」
その時、画面に潤が写った。
「あ…」
潤がしまったって顔したから、二人で画面を見た。
そこには潤の熱愛報道が流れてた。
相手は、あの子。
「ああ…もう…」
潤が頭を抱え込む。
俺と和也は暫くそれに見入っていた。
潤は俯いたまま顔を上げない。
「ごめん…油断してた」
「潤…」
和也が潤の顔を上げた。
「なんで謝ってるの?」
「え?」