第11章 夢ゆら
なんだかんだと美味しかった夕食が終わると、皆、思い思いに過ごす。
潤は帰ってきたら一番に風呂に入る。
きれい好き。
相葉ちゃんはよく潤と一緒に入ろうとして、蹴りだされてる。
だろうな…だって、100%盛るもん…
だから夕食が終わったら、一番に入るのは相葉ちゃん。
たまに翔ちゃんも一緒に済ます。
その後で、俺と和也が一緒に入る。
いつも和也がゲームしてるから、一番遅くなる。
だからリビングにも一番最後までいることになる。
和也はブランケットに足だけくるまって、俺の膝に頭を乗っけてる。
俺はソファの背面と肘掛けに手をやって、テレビをぼけーっと見てる。
「智…」
「ん…?」
「鼻毛でてる…」
「抜いて」
「手が離せない」
「愛が足りない」
「俺の手はゲームのためにある」
「ちがうだろ…」
「え?
「お前の手は、俺のを握るためにあるんだ」
「…おばか」
「ああ…わかってる」
「わかってればよろしい」
「すいませんでした」
「…しつこい…」
ぺろっと舌を出すと、くすっと和也が笑った。
嬉しかった。