第4章 ばあちゃんの庭
相葉ちゃんが入り口をギイギイやって開けた。
錆びついてたけど、サビさえ落とせばなんとかなりそうなシロモノだった。
「あ、あったかーい…」
ちょっとほこりっぽかったけど、中にはいってみたらぽかぽかしてた。
「ここは植木鉢置ける」
相葉ちゃんが真剣に考えだした。
マジかよ…
少し笑いが漏れた。
ニノがそんな俺の顔をみて、少し不機嫌になった。
「?」
目が合うと、ぷいっと横を向いた。
「なに?ニノ…」
俺、なんかした?
「別に…」
なんだよ…ヘンなやつ…
「ね、ね、リーダー。何の木がいい?」
「そんなの植木屋と相談しろよ」
あ、そういえば、ばあちゃんが懇意にしてた植木屋があるって弁護士が言ってたな…
「なんか、ばあちゃんが使ってた植木屋があるらしいから、電話しとくから、打ち合わせしなよ」
「え!?まじで?いいの!?」
「俺がやるっ!」
ニノが叫んだ。
「え?ど、どうした?ニノ…」
「庭、住んでるんだから俺が何、植えるか決める!」
「え?だってお前…」
「いいからっ…住んでる人が決めるの!」
”住んでる”にやたら力をこめた言い方で、なにをムキになってんだ…