第4章 ばあちゃんの庭
「あ、じゃあ、俺は花とかの方、決めちゃってもイイ?」
「あ、え?あ、うん…別にいいよ?」
なんだこの二人…ひとんちの庭で…
まあ、いいんだけど。
俺は温室の中の座れそうなとこに腰掛けた。
ニノと相葉ちゃんは、さっきはむきになってたけど、今は夢中になって庭造りの話をしてる。
なんだかんだ言ったって、この二人は結局、仲がいいんだ。
ふたりの気迫に負けて、その週の土曜に植木屋に来てもらうことになった。
今から庭を作れば、春から植える作業が捗るからだってさ。
なんか本格的に設計図とか、そんな話になるらしい。
こればっかりは、俺もいいだしっぺだから、金を出すことになった。
いいって言ったのに、相葉ちゃんも金を出すことになった。
どんどん誰の家だかわからなくなっていく…
土曜日に植木屋の棟梁がきた。
絵に描いたような頑固親父とその息子。
息子が図面を引くそうだ。
俺たちをみて、息子がたまげていたけど、棟梁はどこ吹く風。
職人気質丸出しで、まじめに仕事の話を進めた。
かっこいいなぁ…棟梁…
今どき半纏、地下足袋の庭師なんて珍しいよ…
ばあちゃん、センスいいなぁ…