第4章 ばあちゃんの庭
キッチンの勝手口から外に出た。
玄関からだと遠回りだから。
サンダルを引っ掛けて三人で外に出る。
勝手口から出ると、左手には蔵があって、蔵の脇が裏口になってる。
ニノの車はこっちに停まってる。
蔵の前にスペースがあるから、塀を一部壊して、駐車スペースを作った。
それもなんとニノが金を全部出した。
まあ俺、車乗れないからニノしか必要ない工事だったんだけど…
今は簡易的にコンクリが敷いてあるけど、近いうちに車庫を作るらしい。
塀と庭が外から簡単に入れるようになっちゃうから、簡易的な柵を今は渡してある。
なんだか本格的になってきて、俺、ビビってる。
しかもセコムまで入れるって言ってる。
いつまでニノは同居するつもりなんだろう…
右手にいくと庭が広がっている。
楠の下のベンチは、ばあちゃんがいたときのままにしてある。
相葉ちゃんがトテトテと走ってベンチに腰掛けた。
なんとなく、ニノは俺に寄り添って歩いてるから、ゆっくりと歩いた。
「ねーねー!俺、ここに木植えたい!」
「え?誰が世話すんだよ…」
「俺も、ここ住んでもいい?」
「はぁ?」
思わずニノとハモった。