第10章 LIFE
「あれ…えっと…なんか邪魔だった?」
「ううん。待ってたんだよ。和也、今起こすから」
「あっ…え?マジで起こすの?」
「え?なんかダメだった?」
「や…だめじゃないけど…」
もじもじしてる翔ちゃんの肩を潤がそっと抱く。
二人は目を合わせると、微笑みあった。
だから…なんかお前らのほうが恋人同士みたいなんだよなぁ…
そっと和也の方を向くと、いい感じで爆睡してる。
起こすのやめようかなって思ったんだけど、後が怖いからとりあえず一回は起こすことにしよう。
「和也…」
「んう…」
あ、これは起きないパターンだ。
「和也…せっくすしよ…?」
耳元で囁くと、がばあっと和也が起きた。
「なっ…なっ…何いってんのヒョ!」
「ヒョ?」
一瞬の間を置いて、部屋が爆笑に包まれた。
「な…なんだよ…もう…」
「ニノ、それ反則…」
「ヒョって…ヒョって…」
真っ赤になって布団を被ってしまった。
かわいいやつ…
布団を剥ぎ取ると、ぎゅっと丸まった姿勢で固まってる。
「見るの?見ないの?」
「みっ…みるもん!」
やっぱり風邪ひいてるからか…
挑発乗りやすくなってた。