第10章 LIFE
「たまにはいいじゃん」
「だっ…だめだよ…」
「じゃあ、俺とはいろ?」
和也は熱で潤んだ目で俺を見上げた。
「…わかった…」
やっと素直になった。
潤が俺にウインクする。
ごめんな。気を使ってくれて。
潤がダイニングテーブルを片付けてくれるというから、和也の手を引いてリビングのソファで座った。
「ほら、おいで」
手を広げると、大人しく俺の膝の上に座った。
上半身を俺にもたれさせた。
「ごめん…」
「ん。お前が嫌がることしないから…だから、イヤだったら言えよ?」
「わかんない…見たいような…見たくないような…」
「熱…のせい?」
「わかんない…」
いつもの和也なら、どーんと怒るようなことだよな…
翔ちゃんと…しちゃうのかな…俺。
「ほんとに見るの?」
しばらく和也は黙ってた。
俺の服をぎゅっと掴むと、俺の顔を見た。
「みたい…」
「和也」
「俺としてるときと、違う顔するのか。見てみたい…」
そういうと、肩口に頭を預けて目を閉じた。
「あなたのいろんな顔、見たい…」
熱に浮かされて、だいぶ本音を言ってる気がする…