第10章 LIFE
「じゃあ、カズくん食べさせてあげます」
潤がおかゆを和也の口元に運ぶ。
「あーん」
なぜか隣で翔ちゃんが言う。
「ほら、こぼさないんだよ?」
相葉ちゃんが微笑む。
俺たちには普通のご飯。
これなんていうんだっけ。
パエリア?
土鍋で作るパエリアだって。
炊き込みご飯みたいなやつ。
潤ってばしゃれたものを作る。
「俺もそっちがいい…」
和也がパエリアを見ながら呟く。
「だーめ。また作ってやるから」
「だって…潤…」
「いいから、ほら食べろよ」
れんげを和也の口に押し付けるように入れた。
「あむ…」
不承不承と言った感じで、和也が食事を始めた。
俺達もそれに続いて、パエリアってやつを食べ始めた。
「う…ま…やべ」
魚介のエキスが染み渡っててうめー。
なんでこんなご飯黄色いんだ?
「ちょっと…俺、やっぱ…」
「かーず!」
潤に睨まれて、仕方なくおかゆを食べる和也がかわいかった。
熱のせいでほっぺたがほんのり赤いし、目が潤んでる。
色っぽい…
じっとみてると、和也が気づいてぷいっとされた。
ん…と。
やっぱ、怒ってるよね?