第4章 ばあちゃんの庭
今回は油絵の具を、こってりと塗り付けてみようと思ってる。
少しずつ、下絵に添って色を載せていく。
一番神経を使う。
真っ白なキャンバスに色を載せる瞬間。
一段落したら、ニノがお茶を持ってきた。
後ろには相葉ちゃんが付いてきてた。
「あ~リーダーっ!」
そういうと、俺に抱きついてきた。
かわいいやつめ。
いつも相葉ちゃんはこうやって俺の懐にぽんと飛び込んでくる。
相葉ちゃんの背中越しに、ふとニノの顔を見ると、なんだか冷たい顔をしていた。
「……?」
ニノは目が合うと、取り繕うように微笑んだ。
なんだ?どうしたんだ?
相葉ちゃんが猫みたいに、俺にゴロゴロしてる間に、ダイニングテーブルの上にはお茶とお菓子が用意されてた。
「大野さん、休憩しなよ」
「おう。さんきゅ」
相葉ちゃんがまだ腕にぶら下がったままでイスに腰掛ける。
今日はハーブティーだ。
かもみーるってやつかな?
「鼻の通りがよくなるから」
って、ニノが最近買ってきてくれたものだ。
「ね、リーダーこれ何描くの?」
「んー?人物画かな」
「へー。モデルとかいるの?」
「ううん。特別いない」
「へえ~凄いねえ~」
目をきらきらにして相葉ちゃんは俺を見つめていた。
かわいいやつめ。