第10章 LIFE
「なんで…待ってたの…?」
「謝ろうと思って…」
「悪いと思ってたんだ…」
「思ってるから待ってたんでしょうが…」
「んふ」
「笑ってんじゃないよ…」
「だから、ごめんて」
ぷうっと頬を膨らませたのが見えた。
とがった口元が可愛かった。
「和也…ちょっとだけ…」
「え?」
白い首筋に吸い付いた。
「あ…だめ…」
逃げようとする身体を引き寄せた。
また唇を付けると、耳の下まで舐めあげる。
「ん…」
小さく、甘い声が風呂場に響いた。
「だめだよ…外に聞こえるんだから…」
「そんなことするか…あっ…」
そっと胸の飾りを弄んだ。
その間にも舌を和也の耳に差し入れる。
「声…我慢できる…?」
「いやっ…できな…」
そっと飾りの回りを撫でると、声が消えた。
一生懸命、喘ぎをかみ殺している。
「かわいいよ…和也…」
「も…智の…バカ…」
はぁっと天井に向かって、吐息を吐き出した。
ぎゅっと浴槽の縁を握ってる。
「ね、気持ちいい…?」
「…バカ…」
最近バカって言われっぱなし…