第10章 LIFE
渡り廊下とアトリエの鍵を二重で掛けて、立てこもった。
もう知らない…
あんなことしたの、あの人達じゃん…
あんな女の子みたいに喘いだの初めてで…
それなのに、俺が一番スケベとか言われて。
なんか…もう恥ずかしすぎる。
和也のバカ…
お前が言い出したから始まったことなのに…
ソファに横になって丸まった。
今日は絵を描く気持ちにはならない。
寒々としたアトリエで電熱器をつけて、ひたすら丸まってた。
そのまま寝てしまったらしく、目が覚めたら電熱器が切れてた。
2時間経つと、自然に切れる。
トイレに行きたくなったし、もう皆、部屋に帰ってるだろうと思って、こっそりアトリエを出た。
渡り廊下と母屋を繋ぐドアを開けたら、開かない。
「ん?なんか引っかかってる?」
ぐいっと押すと少し開いたから、覗いてみたら和也がそこに座ってた。
「なっ…なにやってんの!?」
「あ…智…」
うたた寝してたのか、目を擦りながら立ちあがった。
「だって…アトリエ入れてくれないんだもん…」
「だからってお前…身体、冷えてるじゃないか…」
慌てて和也を風呂に連れて行った。