第10章 LIFE
潤に昼飯(朝飯)を食わせると、庭に出た。
相葉ちゃんの作った通路を一緒に歩いた。
潤がそっと俺の手を握ったから、手をつなぎながら、ばあちゃんの庭を散歩した。
庭の外周は高い木で覆われてるから、俺達の姿は外からみることはできないし、高い塀も和也が作った。
アイツ、まじでこの家にどんだけ金をかけたんだろ…
ここ、誰の家だっけな…
俺の家だっけ…?
楠の下のベンチに潤と座ると、潤が眩しそうに上を仰いだ。
「わ…凄いね、この木…」
「ん。枝がのびのびしてていいだろ」
「おばあちゃんの居る時からの、古株さんだよね?」
「そうだよ」
「じゃあ、この家の先輩だね」
「おう」
二人で枝組を見上げて、ぼけーっとした。
木漏れ日が眩しい。
「この木…おばあちゃんの人生を見てきたんだね…」
「ああ…」
「俺達の人生も、見守っていくのかな…?」
「ん…そうかもな…」
潤が繋いだ手をぎゅっと握った。
「ずっと…」
そう言ったまま、黙りこんだ。
「ん?」
「ずっと…皆で一緒に居られたら…」
「潤…」
「居られたら、いいね…」
そう言って、泣いた。