第10章 LIFE
台所に降りて行くと、いい匂いが漂ってた。
あれ…今日、朝からなの俺だけじゃなかったっけ…?
入って行くと、翔ちゃんが居た。
「なにしてんの?翔ちゃん、午後からじゃなかったの?」
「ん?智くんにご飯、用意しようと思って」
「えっ」
「だって、ニノお疲れでしょ?」
見透かされてる…
ま、そうだよな…
二人してご飯の時間にこなきゃ、やっぱそう思うよな…
「ん…まだ寝てる」
「はい。どうぞ」
温めただけなんだろうけど、きちんと朝食になってた。
俺が座ると、翔ちゃんも向かいに座った。
「いただきまーす」
二人でご飯を食べ始めると、翔ちゃんがまた、エプロンをしてた。
「それ、気に入ったの…?」
「なんか、新妻っぽくね?」
ぶふーっと吹いた。
「きったねえ!」
翔ちゃんがゲラゲラ笑う。
「ごめ…」
慌てて飛び散ったごはん粒を拾う。
「新妻って、誰の…」
「え?智くん」
やっぱりね…俺、いつ旦那さんになったんだろ…
「ダーリン、お茶いる?」
「あ、お願いします…」
ごく自然に言われて、思わず返していた。
なんだ…この羞恥プレイ…