第10章 LIFE
相葉ちゃんがホース片手に、低い木に水を遣ってた。
「相葉ちゃん、温室に水遣ってこうか?」
「あ、お願いできる?ありがとう」
「うん」
温室に入ると、じょうろを手に一旦外に出る。
温室の近くの水場で、じょうろを満たすと引き返す。
相葉ちゃんによく似た花は、だんだん蕾をつけて開花に向かっている。
夏に満開になるんだって。
楽しみだな…
ひとつひとつの鉢に、充分水を遣る。
反対側の棚の鉢は、あんまり水を遣らなくていいのだから、そのまま温室の外に出た。
相葉ちゃんの姿が見えなくなってたから、池の方に歩いて行った。
蓮の手入れをする姿を見つけた。
「相葉ちゃん」
「あ、リーダー。見てよ」
そういうと蓮の方を指差した。
よく見ると、小さいけど蕾らしきものが見える。
「もしかして、もしかするかも!」
「ほんと!?」
植え付けてたった数ヶ月で花をつけることは珍しい。
何年でも待つつもりで植えたから、相葉ちゃんの喜びようはすごかった。
「よかったね。相葉ちゃん」
「うん!すっごい嬉しい!」
そういうと俺に抱きついてきた。
ぎゅうっと抱きしめられて、相葉ちゃんのぬくもりを感じた
なんだか俺も、嬉しい…