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天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第9章 FREEDOM


部屋の前で、和也が俺たちを待ってた。


「起きてたの…」


「おかえり」


俺達が手を繋いでるのを見て、微笑んだ。


「智、ちょっと外いこ?」


「うん…」


俺は和也の手を握った。


「いこっか」


微笑むと先に立って歩き始めた。


エントランスから外に続くドアをくぐる。


月明かりで庭がよく見える。


和也の影がゆらゆら揺れている。


「ねえ…おばあちゃんのお庭みたいだね」


「うん…」


人影が一切ない庭を手を繋いで歩く。


月明かりが途切れた木陰で、和也を抱き寄せた。


「智…」


「和也…」


ぎゅうっと抱きしめると、愛おしさで身体が満たされた。


和也も、そうだといいな…


「相葉さんと…」


「うん…」


「そっか…」


でも、和也の機嫌が悪くなることもなく。


俺をふんわり抱きしめる腕の力も変わらない。


「皆のあなたになったんだね…」


「え…?」


「ちぇ…独り占めできなくなった」


「何言ってんだよ…」


「いいの…俺が好きなのは、あなただよ」


「俺も、和也が一番すきだよ」


「うん…それ、崩しちゃだめだよ?」


「ん?」


「俺が、なんでも一番だからね…」


声が、微笑んでた。
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