第9章 FREEDOM
身体を洗って、風呂からあがった。
相葉ちゃんと並んで、鏡に向かって髪を乾かす。
鏡越しにずっと目が合っていた。
乾かし終わってもまだ合ってた。
相葉ちゃんが立ちあがって俺の横に立った。
そのまま俺を抱きしめると、切ない声を出した。
「やっぱり忘れてよ…」
熱かった。
相葉ちゃんの腕。
何も答えない。
それが俺の気持ち。
「なんで…?」
泣きそうな声で俺を抱きしめる腕に力を入れる。
「忘れないよ…俺は俺の意思で相葉ちゃんを抱いたんだ」
「リーダー…」
和也のこと、相葉ちゃんのことぐるぐる頭で回ってる。
でも俺の中で、なんかわかったことがあった。
和也が一番好きなのは変わらない。
でも、皆。
皆、大事。
大事なんだ…
こんなの、和也が怒るかもしれない。
けど。
大事だって思ったんだ。
廊下を歩きながら、相葉ちゃんの手を握った。
驚いた顔で俺を見たけど、握った手を、ぎゅっと握り返した。
「ニノに見つかったらどうするの…?」
「あいつの手も繋ぐよ」
そう答えたら、花が咲いたように笑った。
うん。
相葉ちゃん、綺麗だよ。