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天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第9章 FREEDOM


ちゃぷんと、水面が揺れた。


白い液体が、漂ってる。


「ごめん…」


思わず謝っていた。


相葉ちゃんは身体を半分温泉に沈めて、縁に寄りかかってた。


「なんで…?謝るのは俺の方だよ…」


優しく微笑んでくれた。


「ごめんね…俺が抱いて欲しいって言ったから…」


「そんな…」


だって、シたのは俺の意思だし。


忘れろって言われて、忘れられるわけない。


「いいの…気にしないで…」


額から、汗が流れ落ちる。


「忘れて…」


まったくみたことのない顔で、相葉ちゃんが笑う。


悲しげで、儚げで。


でも、かぶりつきたくなるくらい色っぽい。


気だるそうにしている相葉ちゃんの顎を掴むと、上を向かせた。


唇を寄せる。


キスする寸前で止まって、見つめ合う。


「忘れないから…」


そういうと、目を閉じてキスをした。


「智…」


相葉ちゃんの目から涙がこぼれ落ちるのを感じた。


そっと頬を手で包むと、温かい液体が手を濡らした。


「なんで…?」


「なんでかな…わかんない…」


優しく唇を啄むと、相葉ちゃんの口から嗚咽が漏れでた。


ごめん…


悲しませるつもり、なかったのに…
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