第9章 FREEDOM
ちょっとの間、眠りに落ちたらしい。
気がついたら、宿の人が作ってくれた、簡単なご飯が届いてた。
「あ、智くん、冷めないうちに食べなよ」
「翔ちゃんも。あの二人と交代しようか…」
伸びをしながら言うと、翔ちゃんが少し驚いた顔をした。
「ん?どうしたの?」
「ん…相変わらず…優しいね…」
「えっ?」
翔ちゃんは笑いながら潤の顔を覗き込んだ。
「潤、先に食べちゃうね?」
潤がこくっと頷くと潤の髪を撫でた。
「智くん、いこ?」
「ああ…」
俺はそっと潤の手を握ってから、離した。
潤はまた微笑んだ。
テーブルに向かうと、相葉ちゃんと和也は、潤の布団へ駆けていった。
「潤~!俺も隣でねちゃおうかな~!」
「あなた、気持ち悪いから…その言い方」
「あ、そんなこと言う…?」
「いくらでも言う」
「ばかずなり」
「あっ」
「ふーんっ」
「あいばかっ」
延々とじゃれあってる…
「煩いよお前ら…」
もしゃもしゃとご飯を食べながら言うと、和也が潤の布団を枕に寝転んだ。
「俺もちょっと寝るー」
「んーわかった」
翔ちゃんと俺は、郷土料理を潤に残しておいて、軽くご飯を食べた。
翔ちゃんがたりなさそうだったから、俺の分のおにぎりをあげた。