第9章 FREEDOM
部屋に入ると、まだ潤は横たわっていたけど、身体を少し起こしてた。
この方が楽なんだって。
「潤、飯。郷土料理だって」
潤は笑った。
俺達も微笑んだ。
「さ、腹減ってる奴は食ってよ」
「はーい!俺たべるー!」
相葉ちゃんが一番に飛びついた。
和也も珍しく相葉ちゃんに付き合って、一番に食べる。
俺は潤の隣の畳に寝転がる。
「智くん、寝るの?」
「ん」
そう言ったら、翔ちゃんがブランケットをかけてくれた。
さっきまで潤を包んでいた、翔ちゃんのブランケット。
翔ちゃんの匂いが、ふんわりとした。
「ありがと」
「ん」
潤がそっと俺の手を握った。
驚いたけど、握った手にはほとんど力が入ってなくて。
俺はそのままにした。
手を握ったくらいで、潤が元気になるならいいやって思ったから。
翔ちゃんが、そんな潤をにこにこと笑って見てる。
和也と相葉ちゃんは、まるで昔に帰ったかのようにじゃれながらご飯を食べている。
ああ…なんだか懐かしいな。
この雰囲気。
思うように売れなかったあの頃。
楽屋で皆でわいわい暇つぶししてたあの頃。
4人の立てる音を枕に、俺は眠りに落ちた。