第9章 FREEDOM
和也が車を走らせる。
宿の人に聞いたら、簡単なものなら出せるって言うから、俺達は飲み物とかをコンビニまで買い出しに行った。
ついでに教えてもらった、お惣菜が美味しいってお店に連絡してもらって、郷土料理をテイクアウトできるよう手配してもらった。
意外なことに、和也が愛想よく全てを進めた。
「かずさぁ…」
「なぁに?」
「結構、大人だよな…」
「え?とっくに大人ですけど」
「まぁな…最近、舐めるの上手いもんなお前…」
「ぶっ…なっ…何いってんのよっ!」
照れくさくて、ついシモネタでごまかしてしまった…
和也の手が俺の左手を包んだ。
「どうしたの…?」
前をみながら少し微笑んでる。
ふたりっきりになったのが、嬉しいんだ。
潤のこと、気がかりだけど…
俺も嬉しい。
ぎゅっと手を握り返すと、もっと和也が微笑んだ。
言葉なんていらなかった。
お店に着くと、店の人が前で待っててくれた。
急いで降りて行ってお金を払うと、コンビニに向かった。
飲み物を買うと、宿に速攻戻った。
宿に入ると、従業員さんが食事を持って行っていいかって聞いてくれたから、OKして部屋へ戻った。
部屋をノックすると、相葉ちゃんが出迎えてくれた。
「ゆっくりしてくればよかったのに」
そう言って笑いかけてくれた。