第9章 FREEDOM
宿に着くと、人は居なくて。
従業員の人がびっくりして俺たちを迎えた。
事情を話すとすぐに部屋を開けてくれて、布団まで敷いてくれた。
すぐに潤を運びこんで寝かす。
酸素吸入を始めたら、少し楽になったみたいで、今は眠っている。
「明日まで酸素持つかな…」
相葉ちゃんが不安げに呟く。
「大丈夫。ちゃんと予備を計算してもってきたから」
翔ちゃんが潤をみつめながら呟く。
翔ちゃんてさ…
俺じゃなくて、潤が好きなんじゃないの…?
なんか…不思議なんだよね…
今の翔ちゃんの顔、心配で死にそうなの、必死に隠してるって感じでさ…
そんな翔ちゃんの横に、相葉ちゃんはぴったりと寄り添って、翔ちゃん見てるし。
相葉ちゃんは翔ちゃんが好きなんじゃないの…?
なんか俺、よくわかんないよ…
「あ、智くんとニノさ。買い出しいってきてくれない?」
「ああ、いいよ」
翔ちゃんが、潤の車のキーを和也に投げてよこした。
「なんか適当に昼飯、頼むよ」
「ん、わかった。宿の人に聞いて、なんか旨いもの買ってくるね」
「ん。ありがたい」
翔ちゃんは微笑んだ。
相葉ちゃんも笑う。
「ゆっくり行っておいでよ」
俺たちは、急いで買い出しに行った。