第9章 FREEDOM
「あ、リーダー男らしい」
相葉ちゃんが余計なチャチャを入れるから、力が抜ける。
「もう…いいから。和也返して」
車から降りると、和也の腕を引いた。
ふにゃっと俺に寄りかかってくる。
「どうしたの?そんな痛かった?ごめんね…」
「ばか…石頭…」
そういうと、和也は俺にぎゅっと抱きついてきた。
「ごめん」
和也の背中に腕を回す。
「だってちゅーしたかったんだもん…和也と…」
「おばか…」
「あのー…お取り込み中悪いんだけど…」
潤の声が割り込んでくる。
「見えてるよ?他のお客さんに」
バッと離れて回りを見渡すけど、誰も居なかった。
「じゅっ…潤っ!」
怒ると、潤が爆笑した。
「ここ、穴場だから早くいこ?」
翔ちゃんが俺たちの背中を押す。
「なんかトンネルだっけー?涼しそうだから早くいこっ!」
相葉ちゃんが駆け出す。
「あ、待てよ!」
そう言うと、潤も走りだす。
俺と和也と翔ちゃんは、そのまま笑いながらゆっくりと歩き出した。
本当に誰も居なかったから、和也とそっと手を繋いだ。
…反対の手を翔ちゃんに握られた…
振りほどく気力は残っていなかった…