第9章 FREEDOM
真っ白な世界に、和也の声が響く。
「智…?智?さーとー?」
ん…?
「起きてよ?着いたよ」
「…ちゅーしないと起きない」
俺はいつもの調子で答えた。
毎朝、和也のちゅーで起きるのが最近の習慣だから。
「ばっ…」
和也が焦った声を出して俺の口を塞ぐ。
「ぐふっ…」
「へえええ…毎朝ちゅーしないと起きないんだ…リーダー」
潤の冷たい声が聴こえる。
聴こえる…?
がばっと起き上がると、和也のおでことぶつかった。
ガツっという音がして、和也が後ろに倒れた。
翔ちゃんがそれを抱きとめた。
「おっとあぶない」
後ろで相葉ちゃんの笑う声がする。
「くっくっく…翔ちゃん、よかったね。今晩のおかずまた増えたよ…」
「ばっ…ばかにするなぁっ…!」
痛むおでこをさすりながら言うと、相葉ちゃんが増々笑う。
和也に目を遣ると、後部座席からぶっとんで、外にいる翔ちゃんの
胸に顔を埋めていた。
「あっ…!何やってんだよ!翔ちゃん!」
「何って…ニノが飛び込んできたんだよ?」
翔ちゃんは薄く笑うと、和也をぎゅっと抱きしめた。
「やめろっ!」