第9章 FREEDOM
高速に乗って都内を抜けると、空気がおいしい。
「あー…なんで空気ってこんなに美味しいんだろうな…」
珍しくニノがらしくないことを言う。
「排気ガスないからじゃない?」
「翔さんさ。そのリアリストなところ、どうかと思うよ…」
ニノが呆れて言う。
「なんだよ…俺にロマンチックを求めるなよ…」
「ロマンチックじゃないよ…ロマンだよ…男のロマン…」
「なんで空気がおいしいって話に男のロマンを盛り込まなきゃならないんだ…」
二人がぎゃーぎゃ言い合ってるのに、気がついたら相葉ちゃんは眠ってた。
こてんと俺にもたれ掛かってきた。
疲れてるんだなと思ってそのままにしておいた。
「…だからさー。なんか初めての5人旅なんだからさ。こう、浮ついた気持ちにならないわけ?翔さん!」
「なってるよ!充分なってるよ!お前にはみえないの?この燃え盛るテンションがさ!」
「わかりづれーよっ!」
潤が噴き出した。
「翔くん…やめて…腸がよじれる…」
「ほらぁっ潤のスイッチはいっちまったじゃねえかぁ!」
潤は笑い上戸で、一回笑い出すと止らない。
「ひゃっひゃっひゃっひゃ…やめてへぇ…」
誰か運転変われや…