第9章 FREEDOM
和也が俺と相葉ちゃんを引っ剥がして、俺のことぎゅううっと抱きしめた。
運転席には潤がいて、助手席には翔ちゃん。
二人はこちらを振り返ると、やれやれって顔して前を向いた。
「じゃあ、いくよー!」
「はーい!」
車が走りだした。
6月の気持ちいい風。
この二日間だけは、忙しい日常のことは忘れようって、皆で約束した。
それぞれ仕事たくさん抱えてるけど、英気を養うため、一回ゼロになろうって。
そしたら、また皆で前にすすめるなって話し合ったんだ。
だから、今回は仕事の話はなし。
相葉ちゃんはひたすらはしゃいでる。
「あ。潤、きつくなったら運転変わるから、いつでも言うんだよ?」
相変わらず、優しい相葉ちゃん。
「俺も、いつでも言ってね」
和也も、優しい。
翔ちゃんは潤を見て、ふふっと微笑んでる。
俺…何も言えない…
「潤…応援してる…」
「えっ…?何、リーダーまで…」
そう言うと、潤の耳が真っ赤になった。
「あ、こいつ照れてる」
翔ちゃんが隣からチャチャを入れてる。
「もーちゃんと運転してよねっ」
和也は俺の手をぎゅっと握った。
わちゃわちゃ旅行の始まりだ。