第9章 FREEDOM
でも相葉ちゃんも、1番レギュラー抱えてるから、ずっと傍に居るわけじゃなく。
この広い家にポツンと一人になることも多かった。
潤の病気は、世間には公表されなかったから、今は普通通り働いてて。
帰ってきた途端に、倒れこむように眠るときはあるけど、あれ以来酷い頭痛は出ていないようだった。
何故か…
何故か、なんだけどさ。
ここは俺の家で。
和也は俺の恋人で。
だからここは俺達の家なはずなんだけどさ…
何故か、あとの3人、毎日家に帰ってくるんだよね…
もう、ここ誰の家?
わかんなくなってきちゃってさ…
駐車場足りないからって、向かいのお家の畑買い取って、駐車場作っちゃうしさ…
もう、ほんとーにっ
ここ、誰の家なの…?
そんな疑問を感じながら…
でもちょっと楽しくなってる自分も居て…
だって、嵐5人で住んでいるんだよ?
こんな面白いことないよね…
なんでだろ。
中学校のとき行った、修学旅行みたいな気分。
ずっとずっと、修学旅行してるみたい。
ぼけっと蔵でひとりぼっちだったけど、前みたいに淋しいとは思わなくなってた。
そんなある日。
「ねえ、ねえ。修学旅行いかない!?」
相葉ちゃんが、突拍子もないことを言い出した。