第9章 FREEDOM
5月も半ばになって、あったかくなってきたからか、だんだんロケの仕事が増えてきた。
その間に秋に発売されるアルバムの概要が出てきたり、夏のイベントの概要が出てきたり。
書類に目を通したり、デモを聴いたりと、何気にこの時期地味に忙しい。
夏のイベント用に、俺は振り付けをやれと言われた曲があって、暫く蔵で音楽ばかり聞いてた。
和也は最近、また映画の仕事が入ってて、帰りが遅い。
蔵に居る俺の傍らには…
相葉ちゃんが居る。
姿見を見ながら踊る俺の傍で、台本読んだりしてる。
時々、行き詰まってる俺のとこにきて、一緒に踊ってくれたりする。
相葉ちゃんのダンスは素直で癖がなくていい。
俺と和也は猫背だし、潤も手癖が悪い。
あ、この場合の手癖が悪いって、けっして女のことじゃなくて、踊るときに手がヒラヒラ動きすぎることを指す。
翔ちゃんは硬すぎて、アイドルダンスには向いてないし…
ヒップホップとかならまだいけるんだけどな…
そんなことを思いながら、相葉ちゃんのダンスに見とれてた。
すると必ず相葉ちゃんはそんな俺の油断を見抜いて、抱きついてきたりするんだ…
やめろ…