第8章 ミュシャ
朝食を早々に終えると、翔ちゃんは潤の部屋へ入っていった。
潤を起こしに行ったんだろうなって思ってたんだけど、いつまで経ってもこなかった。
和也も相葉ちゃんも食べ終わってもこなくて。
二人が後片付けしてるから、俺は部屋に様子を見に行った。
「潤ー?翔ちゃん?」
ドアの外から声を掛けたけど、返事はなくて。
かわりに、なんかうめき声が聞こえたから、慌ててドアを開けようとした。
でもそれは、頭が痛くて苦しんでるような声じゃなくて…
アノ時の…声…?
そっとドアに手をかけたら、開いた。
少しだけ開けて、そっと中を確認した。
決して覗こうって気があったわけじゃなくて。
潤が頭痛で苦しんでたらいけないと思ったから。
そんな趣味、俺にはないし。
ドアからすぐ、潤のベッドが見えた。
ベッドの傍には、あの小さい酸素吸入器があって。
視線をずらしてベッドの上をみたら、こんもりと二つ膨らみがあって。
翔ちゃんと潤が、絡み合ってた。
思わず見とれた。
全裸の潤が、ミュシャの絵の女性の様にきれいだったから。