第3章 教授を追う先生。
「何言っているのよ。ロン、あなたミズキ先生が杖を持っているのに気づかなかったの?」
「つまり…二人のイタズラを、ミズキ先生が邪魔したってこと?」
ハリーは信じられない、という顔をする。
「僕たちだって信じられなかったさ」
「でも、これで三度目なんだよ」
「え…スネイプに三回も?!」
恐ろしい双子である。
「去年、ミズキ先生が来る前は半分の確率で当たってたんだけど…」
「半分の確率って…あなたたち、本当に怖いもの知らずね!」
というか、そんなにしょっちゅうイタズラを仕掛けられるなんて…大嫌いなスネイプであったが、さすがに気の毒である。
「初めはまぐれだと思ってたんだ。二人が一緒にいるところを狙ったから、ミズキ先生自身が身の危険を感じたのかと思った」
「そう。それで、二度目は一人のときを狙ったんだけど」
「ダメだった。気づいたらミズキ先生が隣にいたんだ」
「そして今日だ! これはもう確実に、ミズキ先生がスネイプの奴を守ってるとしか言いようがない!」
交互にしゃべるピンクの双子に目をあっちこっちやりながら三人は先ほどのスネイプとミズキの様子を思い出す。
「…仲は良さそうだったわね…?」
会話の内容をハーマイオニーは目を瞑って思い出そうとする。
確か、ティータイムがどうの、と言っていた気がする。
「ウヘェ…」
ロンは舌を出してしかめっ面をするが、ハリーはスネイプのとても意外な一面に何故かホッとした。
(あんな奴でもおやつ食べるんだ…)
「それで?」
地下への階段を降りながら、セブルスがキラに問いかける。
「え?」
「どうせまたあの双子だろう」
「気づいてたんですか?」
キラが驚いて目を瞬かせると、彼は少し考える素振りを見せた。
「――双子に、というより…君にだ」
こそこそ付け回す気配が増えたと思ったのだ。
じっとキラを見下ろせば、キラはしばらく目を泳がせていたが、観念したかのように口を開いた。