第3章 教授を追う先生。
「だって…水風船をぶつけられたり、ピンク塗れにされたりするセブルスを見るのは嫌なんです」
ムスッとした顔をして、双子やピーブスを思い浮かべるキラ。
尊敬するセブルスのそういう姿は見たくない。
それは、学生時代を思い出させるからだ。
「……スネイプ教授、だ」
「うぅ…はい、スネイプ教授」
生徒が居る前では自然と出てくるようになったが、二人きりになると油断してしまう。
公私混同しないように、と思いはしつつ中々難しい。
「毎回イタズラを避ければ、向こうも躍起になる。不本意だが…たまには受けておかねばエスカレートするからな」
セブルスの言葉にキラは驚きを隠せなかった。
「それは…その経験がある、ということですか?」
「さあな」
ガチャリ、と黒い扉が開く。
「入れ」
「ありがとうございます」
セブルスに促されて、先に研究室へ足を踏み入れる。
勝手知ったる、とは正にこのことでキラは先ほど勝手に戸棚に仕舞っておいたかりんとうの袋を取り出した。
「…先にレポートだろう」
「あ、そうでした」
へへ、と笑うキラをチラリと見てから、セブルスは作業机の前に座る。
そこへ置かれた複数のレポートには幾つか付箋が貼られていた。
「――ティータイムはしばらくお預けだな」
「えぇ~」
「君の努力次第だな、ミズキ先生」
「……うぅぅ」
唸り声を上げるキラにセブルスはほんの少し口角を上げて笑った。
「スネイプあるところにミズキ先生ありだ」
忍びの地図を見ながら、フレッドとジョージは互いを見る。
「「……ミズキ先生はスネイプのストーカーなのか?」」
「「…まさか! ……なぁ?」」
end