第2章 入学し・・・・・・き?
「その生徒手帳はお前さん専用って言っても過言じゃないぞ。
なんせアイドル科全員分の名前とクラスが載ってるからな。空きスペースにはそいつらの似顔絵とか特徴とかでも書き込んどけ。
・・・ある意味個人情報だから、無くすなよー?」
『はーい』
「あー、ちなみに無くしたら紛失届出したり再発行の手続きをしたり・・・小五月蝿(うるさ)いあきやんとか生徒会の奴らに長ったらしい説教を食らうハメになる。つまり・・・」
『(あき、やん・・・?)
・・・つまり?』
「・・・面倒、だ」
『それは、嫌ですね。
解りました、無くさないようにします』
「おう、そうしとけ」
出会って時間も浅いんだけど、なんとなくさがみん先生の人柄が解った気がする。
気さくと言うか、気だるそうに見えて生徒想い。
そんなさがみん先生が、面倒くさいとか言ってるんだから絶対に面倒くさい。
それから掻い摘んで生徒手帳の使い方を教えてくれた。
だるそうにしながらもちゃんと面倒は見てくれるみたいだ。
『なーる・・・この生徒手帳のこのページに、ハンコ押してもらって投票する訳ですか。
便利な時代になりましたねー』
「見たライブとか記録されるから、ハンコは必ず持っとけ。
後は・・・ほれ、サイリウム」
ぽいっ
『っと・・・・・・。
・・・あ、これってあれですか。ライブで使う光るやつ』
「ああ。
下についてるダイヤルで1~10まで回せて、それが得点に加算される。
得点ごとに光る色が違っていて、最高点の10点なら虹色に光るぞ」
カチカチ・・・
『あ、本当だ・・・なんかレインボー』
試しにダイヤルを回してみれば、サイリウムがカラフルな色に光った。
これ周りが暗かったらもっと綺麗なんだろうな。