第3章 改めて初登校。
「さっすがウッキ~!
‘トークの達人’なだけあって頭の回転も速い!
さてはその眼鏡か?キーアイテムの眼鏡をかけてるからトーク力が上がるとかの補正があるんだなっ」
「よくぞ気づいたね、実は僕・・・この眼鏡を外すと何も解らなくなっちゃうんだ。
・・・・・・・・・・・・あれっ、僕の名前・・・なんだっけ?
ねえきみ、知ってる?」
す・・・と眼鏡を外して綺麗なエメラルドグリーンの瞳でキョトンと尋ねてくる遊木くん。
彼らの勢いに圧されそうになりながらも、『えー、遊木くん・・・でしょ?』と答えた。
その途端、何がそんなに嬉しかったのかは解らないけどパァァ・・・ッ!と満開の笑顔。
っぐう・・・ま、まばゆい・・・!!
「き、聞いた!?ウッキ~!
ノッてくれたよ!!」
「うん、うん・・・!!
ノッてくれたね、明星くんっ!!」
「盛り上がんのは結構な事だが、もうホームルーム始める時間だぞー?」
『あ。さがみん先生』
「え〜っ、ここからが良いところなのにっ!
これから彼が自己紹介の波に乗ってくれる所だったんだよ?」
「やけにテンション高いな・・・。
・・・あー、明星と遊木だったか?
お前らが知りたがってるそいつも含めての自己紹介、今からやるホームルームでするつもりなんだが?」
ついさっき登場した明星くん達が開けっぱにしたままのドアからフラリと現れるさがみん先生。
多分廊下まで聞こえてたんだろう。
半ば呆れたようにさがみん先生がそう言えば、明星くんと遊木くんは「あ、そっか!」と声を揃えて納得した。
ホームルームが始まると言う事で、明星くんと遊木くんは自分の席に戻って行った。
ちなみに私の席は教卓側から見て1番右の窓際列。
どんな偶然なのか知らないけど、乙狩くんは私の隣の席みたい。
彼らのペースはずいぶんと元気だなあ・・・と隣に居る乙狩くんに目配せすれば、同じ事を思ってたらしく乙狩くんは微笑んでくれた。
朝のドタバタでも思ったけど、乙狩くんはあんまり喋らないタイプみたいだ。