第3章 改めて初登校。
「ああ、お前の手荷物だ。
さっきはそれどころでは無かったからな。朔間先輩の口振りからして同じ1年だと思って持ってきたんだ」
『おー・・・ありがとね、乙狩くん』
「いや、どうということはない。
それよりもさっきの事だが・・・」
ガラッ!
「えーっと・・・B組には居なかったから・・・・・・、・・・あっ居た!!!」
ダダダっ
乙狩くんが何か言おうとした時、予兆も何も無しにいきなり教室の教卓側のドアが全開された。
え、なに。ビックリしたんだけど。
一体全体何なんだ?とそっちを見れば、弾けるオレンジ色の髪をした男子生徒の姿があった。
ネクタイの色が赤いところを見ると、彼も1年生みたいだ。
かと、思えば。
何やらその男子は私の事を視認するなりこちらへ向かって来るじゃないか。
え、なに。怖いんだけど・・・!
・・・ずいっ!
「やっほうっ☆
きみ、さっきステージで歌ってた人だよね!」
『え・・・あ、えっ?』
「あっ、俺は明星(あけほし)スバル!
明けの明星の‘明星’で‘あけほし’、片仮名のスバル!
キラキラ~って感じで覚えやすいよね~♪」
『あー、うん?』
「やっぱそうだよね、俺もそう思う!
きみの名前はなんて言うの?教えて教えてっ!」
「は~い、ストップ~♪
明星くんてば、興奮する気持ちは解るけどそんなにぐいぐい圧すように言っちゃ彼も困っちゃうよ〜?
でも、僕も乗ろうかな。その自己紹介の波に・・・☆」
『えっ・・・おう??』
「僕は遊木(ゆうき)真(まこと)だよ。
色んな情報が集まってくる放送委員会に所属しているから、知りたい事があったら僕に聞いてね。
今だったら定期考査のヤマとか教師の浮気もしくは不倫相手までなんでも教えてあげるから♪」
笑顔が眩しいのをどうにかしてくれないかな明星くんや。
キラッキラした笑顔でやって来て至近距離まで顔を寄せてきた明星くんが自己紹介すると、次にやって来たハチミツみたいな金髪で眼鏡をかけた男子生徒が自己紹介の波とやらに乗ってきた。彼は遊木くんと言うらしい。
いや・・・キミも結構ぐいぐい圧してるよ遊木くん。