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〈刀剣乱舞〉もしも、明日………

第7章 第六章 夢を見るのは、生きている者だけらしい


そしてそのまま、変化をぼんやりと見ている、一同の前で前足がむくむくと再生していく。
「………元に、戻った?」
蛍丸が唖然と呟く。他の面々も呆然としていた。
そんな中彼岸花だけは、その景色にあの夜の戦いを重ねているのであった。
「やっぱり、こいつも再生機能はもってるのか」
彼岸花は想定内であると身内達に知らせる意味も含めて呟いた。
「やっぱり?知ってたの?」
蛍丸の問いに彼岸花は馬鹿正直に頷いた。
「………なんで、言わなかったの?答えによっては俺、怒るよ」
「君がそんな態度だからさ。さぁ、問答は帰ってからだよ。取り敢えず奴を倒さないと」
「………………ッチ、あとで説明してもらうから」
「うん。」
彼岸花は刀を構えた。
「話は終わったかい?それなら、対処を考えよう」
髭切が目をスッと細めて話す。
彼岸花は、髭切が諦めていない事に少しだけ感心と称賛をして、考えた。
(回復が出来るってことは、あの時の太郎太刀みたく更に増やすことも可能だよね)
そうなると、尚更早いうちにけりをつけなければ。
具体的には奴の心臓を………
「!!」
彼岸花がそう考えたとき、髭切が急に駆け出した。
彼岸花がぎょっとしていると、彼はあろうことか亜種に斬りかかった。
「ど、どないしたん、急に!?」
問いかけるが返ってくる答えはなし。
「ああああ、危ない!」
叫んで、彼岸花は慌てて彼に向かうもう一本の前足を支えた。
「っ!!」
だが、踏ん張りはじめて0.1秒。彼岸花はそのあまりの衝撃に息が止まるかと思った。
全身が潰れたような感覚を味わい、血液が所々詰まっていくようだ。足も震えるし、腕がおかしいくらいにガクガクする。
髭切が少し辛い程度の顔なので、甘く見ていたようだ。
視界すらグラグラしていくなかで、彼岸花はふと亜種越しに岩融の姿を見た。
岩融の手には、本体。
(な、るほど!この為の囮か………にしてもちょっと、無茶しすぎなんじゃないすかねぇ!!)
歯を食い縛る彼岸花は、不意に背後で気配を感じだ。
「よっ、と。避けてよね」
背中にゾワリと殺意が這う。
髭切が前足を弾いたのにタイミングを合わせて彼岸花も前足を弾き、しゃがんだ。
頭の上をグンッ、と何かが通る。
直後、亜種の前足が二つ揃って吹き飛んだ。
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