第1章 始まり
「……ああ、確かに俺もそうだった」
「わしもじゃ」
「じゃあ、みんなおそろいってことっすか!?」
「おそろいなどという甘っちょろい言葉ではない。これは恐らく、何者かが仕組んだ計画か何か…」
「計画なんて、そんな物騒なものじゃないでちゅよ!」
「……えっ?」
…何、今の声?
みんなからどよめきの声があがった。
「だ、誰?」
「誰かいるんすか!?」
「そんな警戒しないでくだちゃい!危ないなんてことはありまちぇんからね!」
「え…?」
私が困惑の声をあげると、教卓の向こうから小さなぬいぐるみのような白いうさぎが出てきた。
「てんてるてーん!みなさんのちぇんちぇいのウサミでちゅ!よろしくね」
「きゃあっ!?」
「うわァっ!!」
「かわいい!!!」
私が思わずそう叫ぶと、みなさんから「え?」という目で見られてしまった。
だってそのウサギは、白くてふわふわしてて、羽も生えててとってもかわいらしい生物?だったから。
でも、さすがにこの場面で言うのは場違いだったかな。