第1章 始まり
「超高校級の…幸運?」
「へえ、そんな才能もあるんだ」
「でも、素晴らしい才能を持つ君たちに比べたら、クズみたいな才能だよ。本当にここでやっていけるか不安だなあ…」
「そんなの全然大丈夫だよ。私なんて才能も思い出せないんだから…。よろしくね、狛枝くん」
「…ありがとう、蜜森さん。よろしくね」
狛枝凪斗くん。
不思議な印象を持つ子だなあ…。
なんだか目に吸い込まれるような錯覚がおこるようだ。
「じゃ、残りの自己紹介は探索しながらにしましょ。このままのペースだと日が暮れちゃうかもしれないし」
そして、私達は一度解散した。
私は、どこを探索してみようかな…。
電子生徒手帳についている地図を開いて、島の建物を確認する。
ロケットパンチマーケットとかよさそうかな…。
安全そうだし、お菓子とかあるか調べたいし。
「僕、もう少し残るね。この倒れちゃった彼が心配だし」
狛枝くんは、ツンツンヘアーくんが心配だから残るらしい。
結構優しい人なんだなあ。
じゃあ、私はロケットパンチマーケットに行くとしよう。
このドッキドキ修学旅行、何が起こるかわからない。
でも、逃げられるわけでもないし、今はポジティブに考えよう。
みんな不安の中、このドッキドキ修学旅行はスタートした。