第3章 ーおそまつの心はー
そういった瞬間、世界が変わった気がした。
私には十分な、十分に幸せな出来事だった。
「頑張ったな。」
そういって私の頭を撫でてくれる大人。
先生。
初めて人前でみっともなく泣いた、誰かに褒められたかったのかもしれない。誰かに頑張ってるって認めてもらいたかったのかもしれない。
私のことをちゃんと見守ってくれる大人がいることの安心感がこれほどまでと思わなかった。
私は気持ちを新たにした。
私を見守ってくれる人の恩返しにきちんと生きて見せようと。
あつし先生は何かあったら連絡してくれと連絡先を交換してくれた。
あと、家庭のことを少しばかり教育委員会に報告してもらえるそうだ。お母さんに何かしらの警告と、きちんと勉強できる環境を整えていけるように先生と頑張ろうと言ってくれた。
なんの警告だったのか、そこそこ態度が変わった母親のおかげで授業中はより集中できるようになった。
あつし先生は私を救ってくれた人だ。
この気持ちが異性の好きなのか、それとも憧れなのか。
わからないけど・・・でも。
今日のおそまつくんはなんか、輝いて見えた。