第2章 手と声と顔と
二宮side
雅紀のまさかの衝撃発言に、そこそこ酔っていた俺の酔いが完全に冷めた。
でも、酔いから冷めてもまだ頭は困惑してて。
そんな俺を見ながら雅紀は
雅「やっぱり、ひいちゃう…よね……」
そう言う雅紀の顔は今まで見たことないほどに悲しみに満ちていて。
いつの間にか雅紀も酔いから冷めていた。
和「いや、別にひいてるわけじゃないんだけど…なんかこう、こんな身近にそういう人がいるとは思わなくて…」
困惑しながらも、雅紀になんとか思ってること伝えたら、
雅「…ほんとう?ほんとに…ひいてない?受け入れて…くれるの?」
和「受け入れるもなにも…雅紀は雅紀じゃん。同性のことを好きになったって聞いただけじゃひかないし、拒絶だってしないよ」
雅「よかった~」
雅紀は安堵の表情でそういった。
・・・それにしても、雅紀の好きな人って誰なんだろう?
そう思った俺は、ご機嫌な雅紀に
和「そーいえば…その雅紀の好きな人って…誰?」
そういった時、一瞬。
一瞬だけ雅紀の顔が緊張したように感じた。
和「?」
雅「ぁ……っふふ、知りたい?」
和「うん」
雅「それはねー…和だよぉー」
そう言いながら俺に抱きついてくる雅紀。
和「んだよそれ!笑…俺は本気で聞いてるの。で?誰よ?俺の知ってる人?」
笑いながらそう言った時、雅紀は俺を今まで以上に強く抱きしめた気がした。
あれ?これ…もしかしてマジな方?
そう思っていたら
雅「ふふふ…教えないよ!教えるわけないじゃん!笑」
雅紀が俺から離れながらいつもの調子でそう言ったから
和「やっぱり?俺なわけないもんな笑…ってマジで誰だよ!」
雅「だから教えないって!」
和「教えろ~!!」
雅「いやーだねっ!教えませーん笑」
そんな子供みたいなやり取りをしながら朝まで飲み明かした。