第2章 手と声と顔と
二宮side
雅「…ねぇ、かず。この後俺ん家来ない?」
和「えっ?今から?」
雅「うん!それでお酒飲もーよ!!」
和「えぇ!?今飲んできたばっかじゃん」
雅「だってぇ…あんなオシャレなお店でオシャレなお酒ちびちび飲んだだけじゃ物足りないよぉ。…ねーえ、お願い!付き合って?」
和「ったく。…どんだけ飲むのよあんた」
飽きれ声でそういう俺に雅紀は
雅「ひゃっひゃっひゃ…ほぉらー!かずももっと飲んれよぉー」
和「飲んでますよ!ってあなたほんとどんだけ飲むの?いい加減にしなさいよ?…まったく。」
…呂律もまわらない程に酔っぱらった雅紀は久しぶりに見た。
こういう時、雅紀は必ずと言っていいほど悩み事がある。
和「…悩みがあるなら聞くよ?」
酔っぱらって意味不明な言葉で喋っている雅紀にそう言うと、
雅「……なんでぇ…悩みがあるって…ひっ……分かったのぉ?」
和「分かるよ。雅紀のことなら。…で?何?悩み事ってのは」
雅「……ほんとにっ…、聞ぃてくれるぅ?」
和「聞いてやるって。…何?」
雅「…ひかないでよぉ?俺ねぇ…好きな人が出来たのぉ」
和「…ふーん。それだけ?」
雅紀は顔も性格も良いし、そこそこ金も稼いでる。
だから女には不自由してないはず。
雅紀が声を掛けたら女はイチコロといっても過言ではない。その雅紀が恋の悩み?
和「…それで?相手はどんな人なの?」
雅「それがねぇ…その……俺が好きになったの、男の人なのぉ」
和「へぇー…えっ!?おとこ!?嘘だろ?」
雅「ひい…ちゃった?」
和「は?おまっ…正気かよ、雅紀」