第2章 手と声と顔と
大野side
“あのかずって呼ばれてた人と話してみたいな”
そんなこと思いながら運ばれてくる美味しい料理を食べていた。
プルルルル……
智「ん……はい」
潤「さっきはすみませんでした。」
智「そのことならもういいよ。潤も俺のこと考えて言ってくれたことだもんね?」
潤「……次からは発言に気を付けます。」
智「いいって、それよりさいつもの店に居るから迎えに来てくんないかな?」
潤「わかりました。30分後ぐらいになりますがいいですか?」
智「かまわないよ。ありがと潤」
潤「いいえ!」
潤の迎えを待ってる間、俺はさっき握手した2つの手を描いた。
影山「大野さん、さすがですね…!
この手は…さっき握手されていた人達の手、ですよね?」
いつの間に来たやらウエイターの影山くんが俺の絵を見ていた。
俺はさりげなく影山くんに聞いた。
智「そーだよ。さっきの人達ってよく来るの?」
影山「いいえ!今日が初めてですよ!」
智「…そう」
正直ちょっとショックだった。
常連ならもしかしたらまた会えるかもしれなかったから。
そうこうしてるうちに潤が来たので家に帰った。
智「ありがとう潤。ちょっと2枚ほど描けそうな気がするから今日はもう帰っていいよ」
潤「そうですか…わかりました。おやすみなさい。」
智「うん、おやすみ」
気のせいだろうか。ちょっと潤の声が寂しそうに聞こえた。
それから俺は握手した感触を思い出し、気づけば相葉さんの手よりかずさんの手ばっかり描いていた。