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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第26章 会津にて…【薄桜鬼】


どうやら腹を括ったか?

はもう身を捩る事もせず、俺に抱かれる覚悟を決めた様だ。

今の俺は罪悪感よりも大きな焦燥感に支配されている。

故にを逃す事が出来ぬ。

であるならば、せめて……

「目を閉じていろ、。
 俺の姿など見なくとも良いから。
 俺の唇は……
 俺の舌は、指は、副長のものだと思え。
 あんたの悦い様に、あんたの望む通りに
 悦楽を与えてやろう。」

そして俺の両手は一切の躊躇も無く、の着ている物を乱暴に剥ぎ取り始めた。


そうして俺の目に晒されたのは、健康的な肌色の柔らかそうな裸体。

堪らず喉を鳴らして仕舞う俺とは対称的に、は顔の前で腕を交差させ怯えた様に小さく震えた。

「どうした?」

「……みっともなくて。」

「みっともない?」

「だって……
 私みたいな女の裸じゃ
 殿方に申し訳ないんです。」

此の女は、恐らく副長の前でも同じ様に自分を卑しめたのだろうな。

そんな可憐しさが男を煽るのだと気付きもせずに。

だから俺は世辞の欠片も無い、心からの言葉を吐き出した。

「あんたは綺麗だ。
 身も心も。
 俺を捉えて放さない。」

言いながら両手をの身体中に這わす。

張りの有る乳房、如何にも女らしい柔い腹、丸くて艶やかな尻………

もっともっと触れたい。


「副長はどうしていた?」

「………え?」

「副長はどうやってあんたを愛でていたのだ?
 教えてくれ。」

「そんな……分かりません。
 私、いつも夢中で……」

まあ、そうであろうな。

副長の閨事情を把握している訳では無いが、京では『新選組の土方歳三は遊女すらを魅了させる床上手』だと真しやかに囁かれていた。

其の手練手管を繰り出されれば、の様な未通女い女では唯々翻弄されるだけであっただろう。

ならば……俺は俺の為たい様にさせて貰うだけだ。
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