第24章 蠱惑的遊戯【イケメン戦国】
政宗さんに煽られたさんが
「ん……家康ぅ…」
掠れた声でその名前を呼んで、物欲し気な視線を向ける。
そんな艶めかしいさんを見た家康さんの顔が一気に紅潮して喉仏が大きく上下したけど、どうやらその先へ進むのは一筋縄ではいかないみたいだ。
「俺は……
俺には出来ません。」
「何でだよ?」
不思議そうな顔をする政宗さんに、家康さんは噛み付くように言い放った。
「さっき言ったじゃないですか!
俺はが好きなんだって!!
ずっとが好きだったから……
を抱いて仕舞えばきっと、この感情は抑えられなくなる。
これから先も、の事が愛おしくて……
堪らなくなって……
俺は………」
家康さんの悲痛な想いに、胸が締め付けられてしまう。
皆が苦し気な表情で黙りこくる中、その重い空気を打破するように響いたのは信長様の声。
「此の中に、を好いていない者など居るのか?」
信長様の表情と声色は誰かを問い詰めるような危機感のあるものじゃなくて、純粋に心の底から出た疑問のようだ。
滅多に見られない信長様のきょとんとした表情に、この場の空気が一気に軽くなった。
そして……誰からともなく、温かい笑いが起こる。