第24章 蠱惑的遊戯【イケメン戦国】
「佐助はにとって唯一人、
同じ時代を知っている大事な友だ。
その友が態々安土まで新年の挨拶に訪れたのであるのなら
丁重に饗すのが道理であろう。」
あの織田信長にここまで言わしめる自分の存在が誇らしくて堪らない。
それもこれもさんが信長様の寵愛を独り占めしているお陰だな。
そんなさんはと言えば、隣でじっと俺の顔を睨み付けていた。
うん、そういう顔も可愛いんだけどね。
きっと俺が『野球拳』について信長様に語った事が気に入らないんだろう。
確かに『野球拳』が始まってしまえば、この場で唯一の女性であるさんは大変な事になってしまうからね。
「して、信長様。
『野球拳』という遊戯は何をすれば宜しいので?」
ここで意外にも『野球拳』に喰い付いて来る光秀さん。
あの含みのある笑みは、さんの様子を見て何かを悟ったに違いない。
「うむ……佐助。
彼奴等に詳しく説明してやれ。」
信長様に促された俺は先ずじゃんけんのルールから話し始める事にした。
「要するにじゃんけんで負けた者が
身に着けている物を一枚ずつ脱いで行くって寸法だな。」
「………其れの何が愉しいのでしょうか?」
俺が簡単に説明した内容を確りと確認する秀吉さんと、本末転倒な事を言い出す三成さん。
そんな二人に光秀さんが低く囁く。
「お前達……
此処にはが居るという事を忘れてはいまいか?」