第24章 蠱惑的遊戯【イケメン戦国】
今、俺が居る此処は安土城。
歴史好きの現代人が見たら確実に卒倒してしまうであろう豪華メンバーが広間に集まって宴の真っ最中だ。
実は俺も無表情を装っているけれど、この僥倖に震えてしまいそう。
だって憧れの家康さんと一緒に酒が飲めるなんて……何たる至福!
そんな中で響き渡った信長様の声に、この場に居る全員が不審気に首を傾げる。
「信長様、野球拳…とは?」
最初に問い掛けたのは秀吉さん。
「遊戯だ。」
端的に答える信長様に、皆の表情は更に曇った。
「遊戯と申されましても……
一体どのような……?」
流石は秀吉さんだな。
信長様の突飛な言動にも慣れてる。
「宴が始まる前に天主まで挨拶に来た佐助から聞いた。
と佐助が居た時代では、
宴も闌になった頃合いで行われる
由緒正しき遊戯であるらしい。」
いや、そんな大層な物でもないんだけどね。
たまたま信長様に正月の宴に相応しい催し物は無いか…って聞かれたから、ふと思い付いた事を話しただけなんだけど。
「それよりも先ず、上杉の忍びが当たり前の様に
安土の宴に参加してるのって……どうなの?」
うん、やっぱり尊敬すべき家康さんは冷静だ。
それは至極真っ当なツッコミだよ。
「まあ佐助の存在には、今更驚きゃしねえけどな。」
政宗さんはそう言ってカラカラと笑った。