第4章 アナタ ト イキタイ【イケメン戦国】
「それ、信長からの便りか?」
部屋に入って来た幸村が手紙を読んでいた私に声を掛けた。
「うん。さっき安土の遣いの人から受け取ったの。」
私は今、春日山城で幸村と一緒に暮らしてる。
あの日、家康と三成くんには私の真剣な想いを必死に伝えた。
分かってもらえないかもって思ったけど
「……の気持ちは分かった。
一度、安土に戻って信長様に伝えるよ。」
と、家康は意外とあっさり退いてくれた。
三成くんも「様がそれを望むなら」と家康に同意してくれた。
そう、私は幸村と一緒にいたかった。
ぶっきらぼうだけど優しくて、どんな時も私を守ってくれた幸村と離れるなんて出来なかったんだ。
春日山城に着いて、佐助くんにもそう話した。
本当に佐助くんには申し訳ないって思ったけど、実は佐助くんも迷っていたみたい。
「さんのおかげで俺も決心が着いたよ。
俺もここに残る。
この場所で謙信様を支えていきたい。」
佐助くんは笑顔でそう言った。
当の謙信様と言えば……どうやら私と佐助くんが恋人同士だと思ってたらしい。
私が自分の側にいれば佐助くんもどこにも行かないだろうと、一緒に私を迎えに来たんだって幸村がこっそり教えてくれた。
結局は私の相手が佐助くんだろうと幸村だろうと、佐助くんが謙信様の側にいるなら何も問題は無いと、私が春日山城で暮らす事を認めてもらった。