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孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第23章 Sad Monster【ドリフターズ】


『本当に?
 それでいいのかい?
 満足できたかい?』

『そいつを斬ればもう
 本当にもう
 誰も
 新撰組が戦う武士(さぶらい)は
 いなくなるよ』

『《こんな終わり》でいいのかな
 《こんな終え方》でいいのかな
 戦いたくて
 《あんな終わり》が許せなくて
 《こんなとこ》まで流されて来たんじゃないの?

 …………歳さんは』



「総司…ッ」

目を覚ます。

汗ばんで不快にねとつく自分の身体に一つ舌打ちをした。

最近は眠る度に聞こえる声。

忘れもしない……

人懐こくて小生意気で、屈託無い笑顔のまま息をする様に人を斬った……

新撰組最強の人斬り……沖田総司。

そんな総司の声を聞き紛う筈も無い。


だが、声だけだ。

何故、姿を見せてくれない?


総司も……

斎藤も……


…………勇さんも。



今の俺は、己の存在価値すら見失っている。
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