第22章 其の女【薄桜鬼】
俺に散々突かれて拡がった窄まりからとろとろと白濁を垂れ流し、ぐったりと横たわるを見遣り溜息を吐く。
の両手首から腰紐を取り除きながら思った。
たった今の今、お前を抱いていたのは《土方歳三》じゃ無かったんだ…と。
俺は、女なんて腐る程抱いて来た。
入洛してからは二度抱いた女は居ねえ程に。
俺の下で『土方様』『歳三様』と悦がる女を冷ややかな目で見下ろして来た。
其れなのに……
最中に俺の名を呼びもしない此の女を、如何にも手放せる気がしねえ。
薩摩出身の、愛していた男を新選組に斬られて喪った女。
「……厄介な女に捕まっちまったな。」
そっと窄まりに指を挿入れ、中に在る物を掻き出して処理する。
脱がせた小袖で弛緩した身体を包み、抱き寄せてから俺もごろんと横になった。
ああ、屯所に戻らねえと斎藤が心配するな。
総司にも揶揄われる事は目に見えてる。
其れでも俺は如何してもの温もりを置き去りには出来ず、其の儘瞼を閉じた。