• テキストサイズ

孤独を君の所為にする【歴史物短編集】

第4章 アナタ ト イキタイ【イケメン戦国】


「さあ、安土に帰るよ。」

イラついた声でそう言って、私に手を差し出す家康。

そんな家康に少しだけ怯えた目を向ける私を安心させるように、三成くんがいつも通りの天使スマイルを浮かべて頷いた。

「大丈夫ですよ、様。
 何も心配は要りませんから、私達と一緒に帰りましょう。」

うう……やっぱり三成くんの天使スマイルは最強だよ。

「おいおい、何を勝手に話を進めていやがるんだ。
 は俺達と春日山城に向かう途中なんだよ。
 安土に戻る訳ねえだろうが。」

そんな家康と三成くんに向かって声を荒げる幸村。

その後ろでは謙信様が不敵な笑みを湛えて立っている。

「言うまでも無いが、俺はこの女を手離す気は更々無い。
 どうしても安土に連れ帰ると言うのなら
 先ずは俺と刀を交える事になるが……。」

ゆったりとした所作で刀に手を掛ける謙信様を見て、家康も不敵に笑って腰の刀に手を伸ばす。

「上等だよ。
 何が何でもを連れ帰れって言うのが
 信長様から承った使命なんだ。
 その上あんたの首も持ち帰ったら
 信長様は大層喜んでくれるだろうしね。」

一触即発の家康と謙信様を目の当たりにして、私はただオロオロするばかり。

もう…一体どうしてこうなっちゃうの?
/ 834ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp